業務成果物の見本/商品企画コース/株式会社サンヨウ精工(架空)3班
検査工程の再配置による内製化の提案 v1.0
4日目の終了時点で確定させた版です。v0.1 から v1.0 までの版と、途中で捨てた案もあわせてお渡しします。
1. この提案が答えようとしている問い
表面処理の内製化を、設備投資をせずに進める方法はあるか。
当初の問いは「表面処理を内製化すべきか」でした。2日目に、社内では既に3年間「すべきだが投資が通らない」で止まっていることが分かったため、問いを「投資をせずに進める方法はあるか」へ変更しています。
2. 課題仮説
外注している表面処理の内製化は、設備投資が前提だと理解されているために3年間止まっている。止めているのは投資額そのものではなく、検査をどの工程に置くかが決まらないことである。
- 根拠 1(読書カード #3・採用)
- 同業他社の社史に、設備更新ではなく検査位置の変更で内製化を達成した記述がある(社史1件。書名は見本のため伏せています)。
- 根拠 2(社内・製造部ヒアリング)
- 過去の稟議3件はいずれも設備費で否決されており、工程配置の代替案は検討されていない。
- この仮説が外れる条件
- 自社の表面処理が、その同業他社と異なり検査位置に依存しない工程だった場合。3日目に工程図で確認し、依存することを確認した。
3. 欲求仮説
製造部門が本当に欲しいのは工程の内製化そのものではなく、不良が出てから原因を特定するまでのリードタイムを短くすることである。内製化はその手段の一つとして語られてきた。
- 根拠(社内・製造部ヒアリング)
- 内製化を求める理由として最初に挙がったのはコストだが、掘り下げると「外注先に問い合わせて回答が来るまで3日かかる」が繰り返し出てきた。
- 確認できていないこと
- ヒアリングは製造部の2名のみ。品質保証部の見解は聞けていない。
4. 価値仮説
検査工程を後段から中段へ移せば、設備を更新しないまま、不良発生から原因特定までのリードタイムを短縮できる。
- 効果の見立て
- 中段で検出できれば、後段まで流してから戻す工程が省ける。現行の手戻り工程は3工程。
- 数値の扱い
- 短縮日数は算出していない。現行のリードタイムを工程別に計測していないため、根拠のある数字を置けなかった。
ここで「◯日短縮」と書かなかったのは、計測していないからです。4日間の中では計測できませんでした。数字が要る場合は、次の1週間で何を測ればよいかを 8 に書いています。
5. 根拠にした資料
- 読書カード 4枚(採用3・不採用1)
- 採用: 社史1件(同業他社の内製化記録)、公開特許公報1件(近い方式の先行出願2件)、業界誌1件(表面処理工程の検査位置に関する解説)。不採用: 業界誌1件(同規模他社の内製化事例。3年計画が中心で、自社の投資枠と比較対象にならない)。
- 社内資料
- 過去3年の稟議3件、現行工程図、外注先との取引条件。
- 外部と社内の突き合わせ
- 社内資料だけでは「投資が要る」で終わっていた。社史の記述が、投資以外の道があることを示した。
6. ここまでは分かった
同業他社が、設備更新ではなく検査位置の変更で内製化を達成した記録がある。自社の現行工程でも、検査を中段へ移すことは物理的に可能である(工程図で確認)。過去3年の稟議が止まった理由は、いずれも設備費であって工程配置ではない。
7. ここから先は分からない
移設後の検査精度が現行水準を保てるかは、実機で確認していない。人員配置の変更に対する製造部門の受容度も確認していない。品質保証部が中段検査を認めるかは、そもそも打診していない。
8. それでも、今ある材料でこの方向を選ぶ理由
設備投資案は3年動いていません。検査位置の変更は、3か月で試せる規模に収まります。うまくいかなければ元に戻せます。動かないまま4年目に入るより、戻せる案を試す方が得だと判断しました。
9. もう一週間あれば、まずこれを潰す
移設後の検査精度です。現場で1ロットだけ中段検査を通し、現行水準と比較します。あわせて、工程別のリードタイムを計測して 4 の数字を埋めます。品質保証部への打診は、この2つの結果が出てからにします。
10. この提案で扱わなかったこと
- 捨てた案: 工程を丸ごと自動化する
- v0.3 で落としました。投資枠に収まらず、3年止まっている稟議と同じ壁に当たるためです。
- 捨てた案: 外注先を変更する
- v0.5 で落としました。リードタイムの問題は外注という形式そのものに由来しており、相手を変えても短縮しないと判断しました。
- 扱わなかったこと: 投資回収の試算
- 設備投資を伴わない案なので、回収計算の対象になる支出がありません。人員配置の変更に伴う費用は、受容度の確認後に扱います。